目次
はじめに
インターネットに関する技術、例えばブロードバンドであったりパーソナルコンピューター、映像を送りそれを見るソフトウェア技術、これらの進歩には目覚ましいものがあります。
それらの技術の恩恵は、しかし、万国、万人に共通のものではありません。通信速度の遅い回線を使っている人、処理速度の遅いコンピューターを使っている人、マルチメディアコンテンツを見ることができないソフトウェアしか使えない人、視覚障害のある人、その他様々な人がインターネットを利用し、情報にアクセスしています。
個人の趣味なら、特定の人しか見ることのできないウェブページでもよいでしょう。しかし、公的機関のサイト、不特定多数の人にあまねく PR したい企業のサイトなどでは、見る人を限定するようなウェブ技術は用いないに越したことはありません。
インターネットで情報にアクセスするときに、特に公的機関などのウェブページを見るときの、閲覧者を制限するような垣根をなるべくなくして欲しい、そう考えてこのページを作りました。同じ考えを持ってウェブページを製作する人が、特に公的機関に増えて欲しいと思います。
困ったページ
私のインターネット閲覧環境で困った事例をいくつか挙げてみましょう。
- 閲覧に用いるブラウザを Internet Explorer に限定している。
- 1 ページあたりのデータ量が多すぎる。
- テキスト情報が画像によって描かれている。
- リンクが画像 ( 画像によるリンクボタン ) のみで示されている。
- 横幅の設定が大きすぎる。
- ブラウザの画面から横にはみ出ていてもスクロールできない設定になってしまっている。
- スタイルシートの適用を外す、または、ユーザーサイドのスタイルシートを適用すると、滅茶苦茶に乱れて見ることができない。
- Javascript の使用を強制する。Javascript を外すと表示されない、リンクが働かないなど。
- ブラウザによって、ログインなどのボタンをクリックしても動作しない場合がある。多分、Javascript か CGI の問題。
- トップページがいきなり全面ムービー。見たくないものにしばらく付き合わさせられる。
- 勝手に音を鳴らす。
ウェブ製作の目安
私なりの目安をあげてみました。
- HTML ( hyper text mark-up language ) の基本になるべく沿ったマークアップ。
- 特定のブラウザに依存しない。
- どんなブラウザでも、描画結果が異なってしまっても、テキストデータを閲覧できる。
- ページは軽く ( 1 ページ当たりのデータ量は少なく )。56Kbps のモデムによる接続というような旧来の環境でも、数秒で表示できるようなページ。56Kbps のモデムの最大スピードで 56Kbps × 10 秒 = 約 72KB のデータ量です。全角文字で 36,000 字ですが、ちょっとした画像の 2 - 3 枚分です。実際にはここまでの通信速度は得られません。
- 大きい画像はサムネイルからのリンクで見るように。
- 背景に画像は使わない。
- 機種依存文字は使わない。
- 背景色や文字色はなるべく指定しないか、スタイルシートで的確に指定する。
- 画像のリンクボタンは使わない。リンクはなるべくテキストで示す。
- フレームは使わない。1 ページ当たりのデータ量が増えてしまいます。リンクの設定の間違い、特に他のサイトがフレーム内にリンクされたりする間違いがよく見られます。XHTML 1.1 では、フレーム ( frameset ) が規定されなくなりました。
- Table タグでのレイアウトはなるべくしない。複雑な組版を実現するには、使わざるを得ませんが。
- Css ( cascading style sheets ) を用いて、ウェブページのデザインを実現するのですが、華美な飾りを排した体裁を心がける。ウェブページの内容 ( テキストデータ ) と見た目のデザインを分けるために css が導入されました。ウェブのデザイン上は必要な技術の進歩なのです。しかし、css は、ブラウザによって対応が異なり、ほぼ正確に対応しているもの、正確には対応していないものなど様々です。対応の仕方も様々です。Css でデザインに凝ってみても、ブラウザごとにページの表示がまちまちになるだけでなく、大変読みにくい表示になったり、読めない、表示されないような事例が発生し得ます。
- Mozilla FireFox、Netscape 7、Safari などは、現在 ( 2007 年 1 月 )、最も正確に css を反映して描画してくれます。iCab も Safari とほぼ同等ですが、わずかながら不正確です。Opera は、前記のブラウザに比して css の実装がやや不正確なようで、画面表示 ( 描画 ) 結果が食い違ってしまうことがあります。
- Internet Explorer は、さらに実装が不正確であったり、対応していない部分が残っています。
- 閲覧者のブラウザごとに対応する css や html を用意するのは、結構大変です。かといって、css を使わずにウェブページにいろいろなデザインを加えようとしますと、あまり好ましくない html を書かざるを得ないはめになります。
- 複雑なデザインを css で実現しようとしますと、html 内で id などの属性を細かく指定していくことになり、やはりデータ量が増えてしまいます。よって、なるべくデザイン、飾りを廃した質素な作りのページとなります。
リンク
- World Wide Web Consortium
- Web Accessibility Initiative
- Web Content Accessibility Guidelines
- World Wide Web ( www ) のルールを定める機関です。サイトはバリアフリーな作りの見本です。
- World Wide Web Project IBARAKI
- 日本最初のホームページ
- KEK Information ( 日本最初のホームページ )
- インターネットの黎明期の記録です。
- World-Wide Web
- TAKADA, Toshihiro
- 日本のインターネットの先駆者、NTT 研究員の高田敏弘氏の手による WWW の解説と 黎明期 ( 1993 - 1994 年頃 ) の記録です。
- Webinspector
- 好ましい HTML 文書を書くための方法と考え方
- ごく簡単なHTMLの説明
- 「テキストブラウザでも読めるページ」の作り方
- 視覚障害者がパソコンを使えるために
- Another HTML-lint
- NICT 独立行政法人 情報通信研究機構
- バリアフリー Web デザインガイド
- バリアフリー Web デザインのための 7 つのポイント
- 視覚障害用ブラウザに対応するウェブ製作のポイントが解説されています。
- Macworld: Create a Barrier-Free Web Site
- バリアフリーな作りのページです。
- EASI - Equal Access to Software & Information
- Online course in accessible Web design ( Beginner Barrier-free Web Design )
- EASI は、1993 年以来 36 カ国以上の国、4,000 人以上の人に、障害を持つ人がインターネット上で情報にアクセスするための情報技術とオンラインでのトレーニングを提供してきたそうです。
- Beginner Barrier-free Web Design には、ウェブページの製作上のポイントが書かれています。
- The University of Hong Kong
- Text version
- Barrier-Free Web Design
- Text version が用意されています。またウェブ製作のポイントが書かれています。
- What is a barrier-free Web site? - WEB for ALL
- A Primer to HTML
- HTML タグや特殊文字コード、色の指定など、html を作成する上での簡略な手引書です。
- 多少、私の意図とは異なる思想で書かれたページですが、便利なので時々参照させて頂いています。
- とほほの WWW 入門
- 「ホームページ」のウソ ( 「テキストブラウザでも読めるページ」の作り方 )
- Viewable with Any Browser: Campaign (jp) ( Viewable with Any Browser: Campaign )
- ウェブの作り方 ( ネットスケープ4.xでの問題 )
- WEB XACT
制作者の紹介 / この制作者がこれまでに作ったサイト、ページ
- 加藤医師を支援するグループ
- Css を使い、XHTML 1.1 準拠で制作しました。
- 兵庫県整形外科医会
- Css を使い、XHTML 1.1 準拠で制作しました。内部の各ページには、Puki Wiki を用いています。
- 赤松クリニック
- Css を使い、XHTML 1.1 準拠で制作しました。
- 津山調剤薬局
- Css を使い、XHTML 1.1 準拠で制作しました。
- 作州武蔵の酒蔵
- Css を使い、XHTML 1.0 strict 準拠で制作しました。
商用のページでは、私の考え方と閲覧者へのアピール、見た目とのギャップ、ジレンマがあり、どうしても html 本来の思想から外れてしまいがちですが、なるべく垣根のない、軽いページを製作するように心がけています。